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新しいインフルエンザワクチン フルミストについて

今年度よりフルミストの取り扱いを開始します。

フルミスト自体はこれまでもありましたが、昨年までは未認可ワクチンでしたので、個人輸入されたものを使い、健康被害が生じた場合でも国の定める保障制度の適応にはなりませんでした。今年度より第一三共さんから発売されることとなりましたので、一般的なワクチンと同様の保障を受けることができます。


以下一般的な説明になります。

接種を検討される方はよく読んでください。


[ワクチンの効果と副反応]予防接種により、インフルエンザ感染を予防したり、感染した場合でも症状を軽くする事ができます。また、インフルエンザによる合併症や死亡を予防することが期待されます。

フルミストは鼻腔内に噴霧するため、痛みがほどんどありません。ただここ数年経鼻でのインフルエンザやコロナの検査があって、鼻そのものになにかされるのを嫌がる子にとっては変わらず辛いかもしれません。。。

インフルエンザウイルスの感染経路である鼻咽頭粘膜で免疫が作られて、高い感染防御効果が長期間(約1年間)にわたって続くことが期待されます。また、鼻咽頭粘膜の感染防御効果によって、ワクチンに含まれるインフルエンザ株と異なる株が流行した際にも、ワクチンの効果が期待できます。同時に血液内にも免疫を誘導するため、感染してしまった場合でも重症化を抑制します。

一方、副反応には、下記の様なものがあります。鼻汁(40~50%)、咽頭痛(5~10%)、頭痛(3~9%)、発熱(10%)。とくに、経鼻噴霧式生インフルエンザワクチンは、低温でしか増殖出来ないように調整されている生きたインフルエンザウイルスを直接鼻に噴霧し、実際に鼻腔粘膜に感染させますので、高頻度で鼻炎症状が出現します。また稀に予防接種によるインフルエンザ様症状の報告があります。その他、すべてのワクチンに共通する事ですが、極まれにショック、ギランバレー症候群、急性散在性脳脊髄炎、喘息発作などの症状が現れる場合があります。

[この予防接種を受けることが出来ない人]

添付文書上は、以下の条件を満たす場合を接種不適当者としています

明らかな発熱を呈している者

重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者

本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者

明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者

妊娠していることが明らかな者 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者


[この予防接種を受けるにあたって注意が必要な人]

喘息のコントロールが十分でない方

周囲に免疫不全患者がいる場合

授乳婦・妊娠の可能性のある女性

これらの方は接種自体は可能ですが、喘息症状の悪化のリスクや水平伝播による他者の感染のリスクがあるので、これまでの不活化ワクチンを推奨します。

下記、小児科学会の考えに則って対応していきます。


[他のワクチンとの接種間隔について]

国内の添付文書には他のワクチンの接種間隔を制限する記載はありません。

ただし生ワクチンに関しては念の為4週間程度間隔を開けることをおすすめします。


①2 歳〜19 歳未満に対して、不活化インフルエンザ HA ワクチンまたは経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの いずれかのワクチンを用いたインフルエンザ予防を同等に推奨しますが、特に喘息患者には不活化インフルエ ンザ HA ワクチンの使用を推奨します。経鼻弱毒生インフルエンザワクチンは飛沫又は接触によりワクチンウイ ルスの水平伝播の可能性があるため、授乳婦、周囲に免疫不全患者がいる場合は不活化インフルエンザ HA ワクチンの使用を推奨します。

②生後 6 か月〜2 歳未満、19 歳以上、免疫不全患者、無脾症患者、妊婦、ミトコンドリア脳筋症患者、ゼラチ ンアレルギーを有する患者、中枢神経系の解剖学的バリアー破綻がある患者に対しては不活化インフルエンザ HA ワクチンのみを推奨します。

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