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子宮頸がんとHPVワクチン

更新日:2021年1月12日

亀岡市からの案内が少しあったようですので一部変更して掲載しておきます。

もともと2020年8月24日の記事です。


 先日の小児科学会のシンポジウムでワクチンについての話題がありました。

どちらかというとネガティブなことで、ワクチンの接種控えについてで小児科医としては耳が痛い内容でした。


 その中で一番話題となるのが、HPVワクチンです。日本では2013年に厚生労働省からの接種勧奨が中止されてから接種率が1%を切った状態です。1学年に1人か2人いるかといった程度です。

 今回の発表では以前の事件による接種控えもあるかもしれませんが、ただなんとなく周りで受けていない、情報がない、医師から断られたなど、公費で受けられることすら知らない方もいるようでした。すでに7年も経過しており、人々の記憶からも薄れてしまってただ結果として接種されていないという厳しい現状があるのでしょう。厚生労働省の怠慢としか言えないのでしょうが、地域の小児科医として地道にすすめていくしかないと思いました。


以下3つほどリンクを紹介させていただきます。

小学校6年生から高校1年生までは公費で無料ですが、2価、4価ワクチンでも自費になると5万円程度かかります。


現在公費補助がありますが、厚生労働省からの勧奨がなく、お知らせは自治体に委ねられています。亀岡市では10月23日付けで高校1年生の方に対してHPVワクチンに対するお知らせが配られているようです。11月下旬までに開始すれば最低限の間隔を開けることでなんとか3月中に終了することができます。


科学的根拠について詳しく説明されています。なかなか情報量が多く理解するのも大変ですが、Part 1 子宮頸がんとHPV ワクチンに関する最新の知識はQ&A形式で書かれているので興味のある箇所だけでも見ても良いと思います。


ただHPVワクチンの予防接種は筋肉注射と言われこれまでよくしていた皮下注射とは異なり肩のあたりに針を立てて深いところに刺すため非常に痛いですし、気分不良なども起こりやすいのも事実です。当院では最初からベッドに横になった状態で接種を行いそのまま30分程度安静にしていただきます。

現時点ではインターネットからの予約はできませんので、興味のある方は電話でご連絡ください。


 またこれに伴い危惧されているのは現在開発途中のコロナウイルスに対するワクチン接種についてです。

開発が実現され、実際に接種されるとなれば特に一気に多くの方に接種されることになるでしょう。その中で当然接種後に一定数の副反応を呈する方がいるはずです。そういったものが正しく接種によるものなのかどうなのか毅然とした態度で調査し取り組んでいかないと、また日本のワクチン事情が世界から取り残される事態になりかねませんし、すでに定着している既存のワクチンの未接種率があがることなどあってはなりません。

 近年メディアリテラシーなるものが騒がれますが、感情的な大きな声に惑わされることなく正しい情報理解に努めていきたいと日々思います。


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